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今でもこれを言うとずしりと心が重くなるのだが、世の中の偏見を 少しでも取り除くためにも、勇気を出して書く。 二人目妊娠の前まで、私はメンタルクリニックに通っていた。 初めての妊娠の時に書いたように、度重なる不調とストレスで メンタル的にかなり危ない状況だったのだ。 最初は出産したのと同じ大学病院で、復帰後は平日の夜に通院できるよう 開業医のクリニックにかかっていた。 産後のメンタル不調というとドラマ「コウノドリ」で出てきた産後うつが 今では有名だが、私の場合、厳密には「うつ」ではなかったようだ。 育児や通勤は無我夢中だったので何とかできるが、不安感が突発的に おそってくる、というもの。 不安感は根拠が無いものではなくて、娘の心疾患のこと、 仕事に復帰できるのか、復帰した後も続けられるのか。 いつかクビになるのではないか。 具体的な不安要素が次から次へと来襲している処へ、 上司からのストレスを受け、気持ちの安定が保てない、 という状況だった。 病名は何であれ、クリニックに通っていることは、家族以外 誰にも言わなかった。 「万全の状態じゃなきゃ会社に来るな」と言うような上司のことだ。 通院していることを知られたら、鬼の首を取ったかのように 「だからあなたはダメだ、退職しろ」と言いかねない。 本当は隠すようなことではないのだけれど。 ジレンマだなあ、と思う。 お金が無いと子供を育てられないのに。いまどきは男性正社員の給与だって 打ち止めで、夫一人の稼ぎで複数の子供を大学まで出せる人なんて 限られているというのに。子供ができた女性には「辞めろ」攻撃。 少子化が進むわけだわ。 「コウノドリ」での産後うつの様子を見ていて、 心底、周囲の無理解に腹が立って腹が立って。 あんなにつらいのに、誰にも「つらい」「助けて」と言えない。 助けてと言ったが最後、ダメ母親、ダメ妻、ダメ社員の烙印を 押されるのでは、という恐怖におびえ、挙句に自殺未遂…。 私の場合、妊娠中にプロフェッショナル(医療従事者)に気づいてもらえて 命拾いした気がする。 精神科にかかってみたら?と勧めた産婦人科の担当医の言葉に最初は 戸惑ったし、「私、病気じゃない!」と拒否しかけたが、後から考えると 受診して正解だったし、産婦人科の先生の勧めに感謝している。 何とか復帰したが、心臓病術後の赤ん坊をかかえて復帰してきた部下にも 時短を認めずフルタイム勤務を強いて、子供の病気で休むと 嫌な顔をするだけでなく、人格への攻撃をしてくるような上司のもとで 働くには、けっこう腹をくくらないといけない。 だが、このときの私には「開き直り力」というものがまったく足りなかった。 「開き直り力」というのは、私が勝手に名づけたワーキングマザーに 必須のスキル。 子供を育てていると、自分の努力ではどうしようもないことが 次々と起こる。それらは自分達の生活全般、仕事、人生、 何もかもに否が応でも影響を及ぼし、振り回される。 そんなとき「私が頑張れば」という根性論は無力だ。 母親が頑張ったからって、子供が熱を出さなくなるわけじゃない。 そういうときに大事なのは「しょうがない。誰も悪くない。 私も悪くない。できないものはできない」と開き直ること。 「また子供の熱で早退なの?」と嫌な顔をされても、表向きは 「すみません!ごめんなさい!」と平謝りしつつ、心の中では 「だってしょうがないじゃん」と唱えながら「申し訳ない気持ち」を 丸めてゴミ箱にぽいっと捨てること。 あっさり書いているが、「開き直れない」というのは深刻な人には 本当に深刻な問題だ。 それで心を病んでしまうのだから。 結果として、仕事復帰から半年くらいはクリニックに通っていた。 二週間に一回程度、カウンセリング。 娘が1歳前には完全にミルクに切り替わっていたので、頓服薬も。 最後、通院を卒業するときに医師が「頓服薬はお守り代わりに通勤かばんに 入れたままにしていらっしゃい。2年くらいは消費期限が持つし。 いつでも飲めると思えば気持ちが楽でしょう?」と言ってくれた。 この一言こそがお守りのように効いて、その後は不安感におそわれることも 滅多に無く、仕事を続けて、かつ二人目を授かることもできた。 本当に綱渡りの仕事復帰だった。 それでも、何と言われようと仕事は絶対辞めないつもりだった。 この先何十年も(と、その時は思っていた)この会社に勤めるんだもの、 今のたった数年間、フルパワーで働けなくたって、トータルで見れば絶対、 会社に貢献できるはず、と信じることで自分を支えていた。 そして同じ理論で、二人目の子供を持つこともほとんどためらわなかった。 働いて収入を得続けていれば、大丈夫、子供は育てられる。 だから子供が欲しいなら産もう、と。 二度目の妊娠が判明したのは、最初の育休復帰から1年2ヶ月くらいの頃。 その間はずっとシステムのマニュアルを製作する仕事をしていた。 1チーム数人で2~3ヶ月単位のプロジェクトを回す。 完成品の締切はあるが、子供の熱で今日、明日休んだからといって いきなり締切に影響するわけではない。 そういう意味では、小さい子供をかかえるワーキングマザーに 向いている仕事ではあった。 やはり現実的に、営業など「直接社外の応対をする、しかも 待った無しの仕事」をワーキングマザーがやろうとすると、 相当な体制を組まないと厳しいのが現実だと思う。 「体制」というのは祖父母の同居や近居、すぐ依頼できるシッターを 複数契約、病児保育などなど、二重三重のバックアップのことだ。 子供が小さいうちは「やれる仕事をとにかくやる」というのも戦略のひとつ。 恥ずかしく思うことはない。 どんな経験も無駄にはならないんだし。 一瞬「キャリアダウン」したように見えても、私のように自ら環境を 変えることで後から「キャリアアップ、収入もアップ」して取り戻すこともできる。 「貴女は特別な例で、誰もがそんなに強いわけじゃない」って? いや、私は強くない。 強い部分もあるかもしれないが、弱い部分も山ほどある。 弱い部分をカバーするために、とにかくあれこれ工夫してみようと ウロウロ、ジタバタ、時には「大失敗だった!」という経験もしながら やってきた。 お母ちゃんは格好良くなくてヨシ。 二回目の妊娠をしたとき、娘は2歳弱。 預け始めの頻繁に熱を出す時期は過ぎていたとはいえ、大人よりは 頻繁に病気になる。 イヤイヤが始まって、しょっちゅうゴネられては家事が滞ったり、 移動に何倍も時間がかかったり。 思えば、二人目妊娠中から、息子が2歳になる位までが、 物理的には一番大変な時期だったかなあ…。 中途半端な仕事しかできない自分に情けない思いもいっぱい抱えたし、 子供の病気で有給がなくなっちゃう、と冷や汗をかく思いもたくさんした。 こういう時、よく言われるのが「仕事も育児も両方完璧なんて無理。 仕事で60%、育児で60%が精一杯。でも60と60を足したら120%だよ」と。 ほんと、これね! 人間はロボットじゃないんだから。 120%稼動って、すでにパツパツ状態。 200%なんて、壊れちゃうよ。 子供をかかえて働くことで身につけたものもある。 タイムマネジメントの能力だ。 とにかく「時間」はお金を払ってでも欲しいくらい貴重なもの。 仕事の段取り、スピード、隙間時間の利用方法。 考えられうる、ありとあらゆる工夫をほどこして時間を使う習慣が 強制的についた。 意思決定も格段に早くなった。 子供達が年に1回、風邪をひくかひかないかという年齢になった今でも、 「急に呼び出しがあってもいいように」と身構えながら先手、先手で 仕事をする習慣は続いている。 余談だが、食事も早食いになった。 子供二人が小学校に上がってしばらく経つまで、座って朝食を 食べたことは一度も無かった。 小さい子供がいると、ゆっくり食事なんて夢のまた夢。 だから仕事に出て、平日のお昼ご飯は大人だけで、もしくは一人で、 「普通のペースで座って」食べられるだけでありがたいことだと ワーキングマザー経験者は知っている。 自分の体調や仕事、娘の子育てと家事。 色んなものを、ジャグリングのようにぎりぎりのラインで やりくりしながら、ついに産休に入るときがやってきた。 一生で一度きりの(多分)「普通の産前休暇」だった。 二度目の出産編に続く予定。
by pino-ombra
| 2017-11-02 21:17
| ワーキングマザー
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Comments(4)
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825
at 2017-11-04 09:03
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初めまして。
聖飢魔Ⅱや閣下の投稿でこちらにたどり着いた者です。 私自身ワーキングマザーで現在第二子を妊娠中なので、こちらのシリーズもとても興味深く読んでいます。 小さな会社なので、第二子を妊娠したとわかった時に同僚からあからさまな「辞めてほしい」発言に落ち込み、退職が頭をよぎっていました。 人の顔色をかなり気にしてしまう方なので、「開き直り力」、本当に大事だなと思いました。 そんな勝手な発言に負けてなるものか、と勇気づけられました。 これからの投稿も楽しみにしています。
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pino-ombra at 2017-11-04 16:40
>825さん、
とても嬉しいコメント、ありがとうございます。 私のように何とか仕事を続けてきた者の経験を読んでもらうことで、ワーキングマザーの皆さんが少しでも励まされる、参考になるなら、すごく嬉しいです。 辞めて欲しい発言、ありますよね…私の2回目の妊娠中もありましたよ。(多分、この後の記事で書きます) でも「同僚」なら貴女を強制的にクビにする力はありません。 へこみますが、受け流しましょう。 そして「開き直り力」は利害関係が無い人の前では良いのですが、会社の人や仕事関係の人の前では心のうちに秘めて発揮しましょう。 言葉に出して開き直っちゃうと、変な軋轢を生むので。 要は心の中の整理法です。 それについては、また詳しく書きますね!
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真由美
at 2017-11-06 12:08
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時短の記事に続きましてコメントさせていただきます。
シリコンスチーマー試しています! まだ蒸し野菜程度ですが、それほど手間をかけずに1品増やせたので助かっています。 通勤中にブログ読ませて頂いていたのですが「開き直り力」に電車の中で涙が出てしまいました。 うちの職場はWMが多く突然の早退や欠勤でもお互い様と言い合える人間が多い恵まれた職場ですが、 やはり中にはトゲのある言葉投げ掛けてくる人もいます。 普段は嫌な事があったりムッとする事言われたりすると、心の中で閣下の声が響くんですけどね!「こう言う奴をどうしたらいい?!」 コ●セー!ってw それで心のなかで笑い飛ばせるのですが、 (こう言う所は聖信者やってて良かったなと思います) 子供に関する事で迷惑かけるのは本当に自分の都合なので、開き直れない所があって毎回凹んでいました。 でも開き直っていいんだ!って、もう少し大きく構えようって気持ちになりました。 自分のペースで食事出来る昼休みのありがたさも心から共感します。 子育ての先輩の体験談、本当に勇気付けられますし参考になります。 これからも楽しみにしています!
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pino-ombra at 2017-11-06 23:31
>真由美さん、
スチーマー、早速活用されているんですね。 蒸し野菜一品って、すごく貴重だし栄養バランス取るのに最適な方法ですよね! 要領を覚えれば色々な野菜を加熱できるので試してみてください。 ブロッコリー、ほうれん草…一番楽なのはもやしです。 包丁要らず、ざっと洗って蒸して、醤油とごま油とすりごまを和えるだけで一品できますよ~。 「開き直り力」は自分の心のバランスを取るための方法の一つです。 色んな場面で応用できますよ。 上のコメントにも書きましたが、そのうち詳しく書くつもりです。
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